「エコ」でなく「エゴ」…消費者の
2009-06-23


セブン-イレブン、食品廃棄コストの15%を本部が負担
6月23日16時7分配信 オリコン
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さて、この問題。
今朝もアップしたが、セブンイレブン側を「もったいない」「廃棄を出すな」というような内容で非難をしている人たちは、どこまで行っても「コンビニ」というシステムを理解していない人達でしかない。

 廃棄ロスとは「需要<供給」という状況下で発生する。
 単純に言えば、仕入れが顧客数を上回っているから「余る」のだ。

 もし、この廃棄ロスを無くそうと考えれば、対応は2つしかない。
「需要量を増やす」か「供給量を減らす」か、だ。

 ここで「需要量を増やす」方法として一般に考えられているのが「売却単価を下げ、購買意欲を増す」という方法。
 端的に言えば「バーゲン」や「見切り品」は、この手段の一つとして考えられている。

 この方法は、短期的には「購買意欲」が増すので「需要>供給」となり、供給数をいじらずに需要数を増やせるので、一見すると、確かに有効的な手段と考えられている。

 ……が「長期的視点」からすれば不利益が非常に大きい、最悪の手段とも言われている。

 なぜなら「販売意欲(個数)を増大させる」手段として「売却単価を下げた」以上、「売却単価を戻した」瞬間「販売個数が減る(元に戻る)」事に繋がるからだ。
 「単価が低いから購入する」以上「単価が高くなれば購入しない」。
 こんな単純な論理がそこにあるのだ。

 結果、もし単価を下げ顧客数を増やした場合、それを「維持する」ためには、『恒常的に「値引きし続けなければいけない」』事になる。

 恒常化した瞬間「単価を上げる事が事実上不可能」になる事態が発生する。

 これが、見切り品等は季節的なバーゲンのように「短期・集中的」に在庫処分する場合には有効的な手段だが、「中長期的」に活用する事は非常に危険な手法だと言われている所以だ。

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 しかも単価を下げてしまった場合、利益を維持するためには「より多く販売しなければいけない」事に繋がる。
 つまり「単価を下げた」結果「供給数を増やさなければいけない」という悪循環が待っているのだ。

 在庫処分のために安くする>利益維持のために多く売らなければいけない>多くの在庫を必要とする>在庫処分のために更に安くしないといけない。
 こういう悪循環が待っているのだ。
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 さらに言えば、「見切り品」を買うのは”見切り品だから買う”人だけではない。
 正規品で買っていた人の中には、「正規品しかなかったから」買っていた人も含まれている。
 ここで「見切り品」が存在するようになると、当然、「正規品しかなかったから」買っていた人も「見切り品を買う」ように流れる事は誰でも予測できるだろう。

 こうなると「正規品で買う」人自身が減少する事になる。
 どれだけ需要が伸びたとしても「客単価」自体は下がるという現象が発生するのだ。

 馬鹿みたいな話だが、これが実際に発生し苦境に立たされているのがスーパーマーケットだ。
 値引き・安売りをメインに出して「集客」してしまった以上、今では「単価を上げる」事がほとんど不可能になってしまっている。
 だから、今、ほとんどのスーパーマーケットが「ガマン比べ」に突入してしまっている。
 その結果、体力の無いスーパーマーケットから閉店・脱落という現象が発生している。

 もしコンビニで安易に「見切り品制度」を導入するとしたら、今後はコンビニでもこれと同じ減少が発生する事になるだろう。
 しかも、コンビニの方がスーパーマーケットなどに比べて「各店舗」の体力は非常に低い。結果、どんどんと「共食い・自滅」が発生していく事になるだろう。


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