単なる市長の『自己満足』
2011-07-30


「ボクちゃんこんなにネットに詳しいの、Facebookだって使いこなせるんだよ。」

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「市長がはまっている」 佐賀県武雄市、市のページをFacebookに完全移行へ
佐賀県武雄市は、日本フェイスブック学会会長でもある樋渡市長のアイデアで、8月1日に市のページをFacebookページに完全移行する。 
2011年07月29日 14時26分 ITmediaニュース
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 そもそもFacebookは、ネット上で「一企業が提供する」SNSに過ぎない。
 このSNS『のみ』で情報を提供するという事が、公共機関としてどれだけ問題があるのかもっと議論をしっかりと行なった人はいないのだろうか。

 勘違いしないで欲しいのだが、Facebookを導入する事が問題なのではない。
 Facebookを通してしか使えないサイトにしてしまう事が問題なのだ。

 確かに「アプリ」を組み込めば、Facebookでも問題なく見ることはできるかもしれない。
 だが利用するために、ユーザーサイドに対し「アプリの導入」を行政が強制するというのは、明らかに公共サイトとして問題のある行動だろう。
 「一企業の利益」に資する行為としか言いようがない。

 そもそも行政が認めた「一つのアクセス方法のみ」にするという事は、「様々な環境で利用する人がいる」という可能性を排除し、閉鎖的な行政にすることに他ならない。
 「ネットが盛んになったので、市役所を使いたい人はすべてネットを通してください。窓口に実際に来ても何もしません。教育しますのでネット利用をしてください」というくらい、愚かなことだ。

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 ちなみにこの市長「日本フェイスブック学会会長」でもあるらしい。

 今回の行動は「フェイスブック」を日本国内にはやらせるために武雄市を利用した、と言われても仕方が無いだろう。
 どれだけ正論に見える意見で反論しようが、「自分が学会会長を勤めているシステムを導入させた」という時点で「自己の利益のために一システムに絞った。恣意的に権力を濫用した」という疑いを払拭させる事は不可能だからだ。
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 しかも、ユーザビリティにおいては「Facebook」という独自規格の方は今のシステムよりはるかに劣る。
 実際、現状でのFacebookサイトを見てみれば、その使いづらさは簡単に理解できるだろう。
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 更に言えば、市民の声の取り入れ方にも問題がある。

> Facebookページへの移行後は、情報をリアルタイムに発信するとともに「いいね!」ボタンやコメントを活用し、市民の声を取り入れたWebサイト運営を目指す。

 「いいね」という、プラス評価しか認めないボタンを活用したところで、何の意味も無いだろう。
『賛成者のみ押せる賛同ボタンを導入し優位性を図る』

 これで、いかに「正当な評価」ができるだろうか。

 また、「コメント」にしても「削除権」が市役所側にある以上、「自分達に不利益なコメント」まで公正に載せているかどうかについて、激しく疑問がある。
 実際、サイトを見ても、肯定的な意見『しかない』という事から考えれば「偏向している」としか言いようがないだろう。

 まったく「否定意見の無い」サイトほど信用できないものは無い。
 「すべての人が賛同する」という事は、まずありえないからだ。

 この間の九州電力のやらせメール事件(正確には「成りすましメール」事件)でもそうだが、九州は「自分が有利になるように」意見をいじるのが当たり前で「公平に意見を聞く」という事ができない人が多いのだろうか。
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