「この次」を見越した動きは見事……だが……
2009-07-28


辞任の中田・横浜市長「国民会議に全力注ぐ」
7月28日21時17分配信 読売新聞
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 さて、中々の人物と見ている(って生意気かな?)中田市長。
ついに市長辞任し、「次の次の国政」を見越した新党設立に動き始めるようだ。

 まあ、民主党・自民党どちらが勝ったとしても「うまくいかない」可能性が高いという見方『も』しているからだろう。

 全国県知事会をはじめ地方自治体首長らの「首長連合」行動が活発化している中、東国原知事の「ドンキホーテのような単身突撃」、橋下知事の「『知事のまま』既存政党から選択・支援に出る」という強気姿勢に続いて、『別な道』としてはいい考え方だと思う。

 次の次の衆院選までに国民会議と首長連合が連携を組めるようになると、次の衆院選(今度の選挙)後の政界再編と併せて面白くなってくると思う。

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 ただ、この動き、気をつけなくてはいけないのが『誰がリーダーとなるか』という点だ。

 「首長連合」の中でも、一番、マスコミの目を引いているのは『橋下徹大阪府知事』である事は間違いない。
 だが、橋下知事については『危機的状況にある大阪府』を立て直す義務がある。
 そのため橋下知事自身が主力となる事は難しいだろう。
 また、その他の人でも「首長である限り」、その地方自治体を運営する義務がある以上、政治活動を主力とする事は難しい。

 さらに「首長連合」自体にも抱え続ける問題がある。

 『それぞれの事情』というのが各地方自治体にはある。
 この『それぞれの事情』という『小異』を捨て『大同』を作れるかどうか、そして『大同』を持ち続けられるかどうか。
 今は、ブームで連携が組めたとしても数年後になる次の衆院選まで連携維持できる意志を持続しなければならないのだが、モチベーションを維持し続けるということは、非常に難しい事だ。

 この状況では、「首長連合」の方は楽観視できない。
 実際、少し軸がぶれ始めているようにも見える。

 だから「首長連合側」がリーダになるのは難しいだろう。


 そうすると、橋下知事らとは別な道での実現性を模索し始めた、中田市長等、国政を目指す有志らの「新党」の方が、より主力とならざるを得ない。


 ここでうまくいくかどうか、端的に言えば『橋下知事ら”首長連合”がプライドを捨てて一歩引けるか』というのが鍵だろう。
 各首長が、あくまでサポートという形にし、『実際に政治活動をしている人』が主になる連携関係を築けなければうまくいかないだろう。

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 ちなみに、今回の中田市長の動きについて、日経BPの方で大前研一がこんな記事を書いている。

時評コラム 大前研一の「産業突然死」時代の人生論
総選挙前に「みっともない」姿をさらす人々 2009年7月28日
[URL]

 今回の選挙にあたっての『各方面の』ドタバタ騒ぎについて書いているのだが、非常に参考になった。

 というか『オマエ、中田市長の後ろにいるんだろ?』って勘ぐりたくなるくらいの内容。

 日経は、経済中心でちょっと偏った方向のものもあるが、前回の記事と併せて結構まともな意見も多い。
「日経だから」と最初から拒否しないで読んでもらいたい。
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