民主党第三者委員会 第2章についての見解
2009-06-14


簡単に言えば「自分達が貰う金は、すべて自分達で全て正しく管理できる。だから外部の目は必要ない」という主張を最後にしてしまっているのだ。
 このような考え方を、政治的にまともな考え方だといえるだろうか。
 元々「政治家達の自浄作用では、政治資金に関する腐敗を改善できない」という視点から政治資金規正法が生まれた。にも関らず「政治家は自浄できる」などと簡単に主張をしてしまう。これで、どうして与党の腐敗批判ができるのだろう。

 「権力は腐敗する」 これはよく言われる言葉だ。だからこそ、権力機構は腐敗しないようにセーフティ装置を作る。
 その一つが三権分立による相互抑制であり政治資金規正法だ。

 なのに、民主党はこれらのセーフティが必要無いという。
 「自分達は絶対に腐敗しない」とでもいいたいのだろうか。

 確かに自分達が聖人君子であるように振舞う事はいいかもしれない、だが、このようなメンタリティの人間が政治を取る事自体、問題だろう。
 どんなに優秀な人間であっても、権力の座にある限り悪徳の誘惑は必ずあり、その誘惑に打ち勝つために外部の協力を求める必要がある。
 このようなスタンスを取れる者こそが「正しい政治家」のあり方だろう。
 そのような意味で言えば、この委員会報告は、自らの腐敗に対する外部からの防御措置を求めない以上、政治家としての重要な資質・視点が欠けている。
 この時点で、この委員会の人間は政治を知らない、権力の誘惑を知らない無知な集団といわざるを得ないし、このような報告を求めてしまった民主党自体もその能力が疑われても仕方が無い。

 また、もし「政治家が、司法の手による規制を受けなくても自浄できる」と主張するのであれば、自民党等の政治資金などについても「監視の目が無くても当然、自浄できるはず」としなければならない。
 だが、実際にはどうだろう。民主党は自民党の活動については「自浄できない」と激しく批判しているのが現実だ。

「自分達(民主党)だけは正しく自浄でき、他人(与党)は自浄できない」
 このような主張を臆面も無く言うようでは、「本質的に問題のある」集団と言えるのではないだろうか。

 さらに、政治資金規正法は確かに「制度上問題がある」法律だとは思う。
 だから「法の不備を批判する事」自体は正しい事だ。
 だが、その法の不備を指摘し批判する一方で、その『法の不備』による恩恵を当然のごとく受け取るのはどうだろうか。
 一方で批判しながら、その恩恵については『当然のごとく』受け取る。これで正しい批判をしているといえるのだろうか?

 今回の問題では、法の不備により『罰せられない』という可能性があると結論付けている。
 正しいか間違っているかではなく「法の不備により罰せられない」としているのだ。
 それを前提とした上で、今回の行為を『だから何の問題も無い。政治資金規正法どおりなのだから』と結論付けている。
 なぜ「不備が問題だ」としながら「不備による恩恵を受けることに問題は無い」とするのだろうか。
 「法的には問題がないかもしれない。だが政治的には問題のある行為だ」なぜこのように記述できなかったのだろうか。
 
 このように記述する事ができなかった時点で、この報告書が偏向していると見られる事を予測できなかったのだろうか。
 「何のために調査しているのか」、この報告書はこの本質を忘れているとしか思えない。


では、実際、細かい点について見ていこう。
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 ◆ 1.総務省の任務としての政治資金行政
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 P.12

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