「ニセモノ」と「ニセモノをありがたがる人々」と
2008-06-17


株式トレーダーが記事盗用か、日経配信と酷似する表現多数
6月17日0時57分配信 読売新聞
[URL]
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株式トレーダーの若林史江さんが、自分の公式Webでの記事において、日経新聞社系ニュース会社の配信記事を『そのまま引用』するような掲載をしていた、との事。

この問題、著作権的に言えば、「表現」を盗用(そのまま引用)していた事が問題なのであって「内容(アイディア)」を利用していた事自体は特に問題はない。
というのが、本当の所。

ここを切り分けずに、単純に「盗用なんてもってのほか」という批判が出てくれば、それは逆に批判者が「著作権を理解していない」可能性も高いという事になります。

「誰々はこう考えている、私も同じだと思う」と
「私はこう考えている」ということは、
『考えている内容』そのものとしては違いが無く、このような「アイディアの一致」というのは特許などの問題に関わらない限り、本来「自由」となっています。
(というか「他人と同じ考えを持つな」というのは無理。)

一方で、アイディアの「表現」という部分で「著作権の保護」はかかります。
(「他人と同じ表現を「自分のオリジナル」として出すな。というのは当然。)

なので「同じ概況」を説明する事自体は間違っていないともいえます。
というか、同一の状況を見ているのですから、事実解説そのもの自体は「ほとんど同じ」となるのは当然なのですがね。
(ただし、繰り返しますが「自分の言葉」でない説明を「自分の言葉」として説明した事は問題)

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しかしこの人、著作権云々というよりも、相場の読み(相場概況)などを、日経Quickの記事そのまま書いてしまっていたという時点で、「今後の筋」など『展開予測する能力』という部分についても『日経Quickの執筆者と同じレベル』しか持ち合わせていない。
という事になってしまうんですけどね、これで。

 新聞記事などを読んでそのままの相場しか張れない、自分の読み筋を持たない3流トレーダー。という事を自ら証明してしまった……と。

こっちの方が致命的だと思います。

まあウィキペディアなどを読んでも、マスコミに都合のいい「御用解説者」という事らしいから、当然の事なのかもしれませんが。

逆に言えば、このような人の意見を鵜呑みにする一般の人も本来問題があるかな。
日経の記事だって、日経の執筆者の個人的見解に過ぎない以上、それをそのまま正しいとするのは「自分で考える」という一番の基本を棚上げする行為だから。

しかし、それにしても
>「数年前から忙しくて知人に書いてもらっていた。経緯を調査している」と釈明している。

これ、釈明にもなっていないでしょう。
だって「自分のWeb日記記事は、すべてゴーストライターに書かせてました」
って暴露したようなものですから。

他の記事だってゴーストライターに書かせたんじゃないか?
っていう疑念を晴らすことが一切できなくなる。

ダメダメだよねぇ?

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結局、彼女はマスコミ受けする「綺麗な包装紙」、向こうが用意した中身を綺麗にくるむだけの存在だったということかな?
ただ、こんなのがもてはやされるのですから、見る側も「ブランド信奉」に使って本物を見る目を養ってないという事にも繋がるのですがね。


……え、このブログだってゴーストが書いているんじゃないかって?

いやあ、こんな暴論・突っ走り記事、書いてくれるゴーストがいればそれはそれでありがたいんですけどねぇ。

さすがに、ここまでぶっ飛んだ人はなかなないませんから。

だから大丈夫!!……ていうか、よけいに危ない気がしてます。
[社会]

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