営業努力を怠ったのは誰の責任?
2008-06-16


「タスポ廃業」県内でも続々 倍増、1か月69店 たばこ店 売り上げ激減「無職同然」
6月16日15時7分配信 西日本新聞
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徐々に悲鳴を上げているタバコ販売店。
でも問題はタスポだけにあるのでしょうか?

確かにタスポ自体のあり方は問題だと思います。
導入方法についても「怪しい」という部分はあるでしょう。

でも、「対面販売」を行っていたはずのタバコ店が「自動販売機の複雑化」で廃業という事はおかしいと思いませんか?

本来の「対面販売」で利益を上げていたなら、たとえ「自動販売機が複雑化」してもしのげないとおかしいのではないですか?

逆に「自動販売機が使えない」人が増えてくるのだから、需要としては増加するはずではないですか?

ここが、私にとって解らないところです。

「そんな客、コンビニに全部取られる」という人もいるでしょう。

なら「コンビニに負けない対面販売」というのを、なぜ今まで考えてこなかったのでしょう?

かつてコンビニが大衆化した時に、町のタバコ店などのミニショップの多くが、自らもコンビニ(多角経営)に変わるか、「コスト削減」(自動販売機の設置)という2択に置かれました。。
その中で、攻めの戦略(多角販売による収益の増加)を取った者もいれば、守り(自動化による販売コストの削減)を取った者もいました。

これは「どちらも正しい」話でしょう。

そして、多くのコンビニやミニ商店はコンビニ戦争の中で消え去っていきました。

この消えていったミニ商店は、「周りが悪い」と周りだけのせいにしたのでしょうか?
確かに近くにコンビニができなければ潰れなかったかもしれない。

でも「コンビニが建ったこと」は悪いことだったのでしょうか?
潰れたお店に問題は無かったのでしょうか?

一方、生き残った守勢商店は何をしていたのでしょう。
確かに自動販売機を置く事によって「販売時間・機会の増加」ができました。
「販売コストの削減」ができました。

で、今までうまくやってこれました。

…でも「これからもうまくいく」なんて保証、誰がしていましたか?

今度は「自動販売のコスト増加」によって立ち行かなくなった。
ただ、それだけに過ぎません。

確かに国の急な方向転換によって、多大なコスト増加を迫られ厳しくなるのはわかります。
でも、そんなモノはどんな経営体でもありうる事です。

石油の国際価格増加によって競争が激化している石油業界。
世界的な気候の変化による、穀物産業の争い。

どこでも同じように起こっていたし、今も起こり続けています。

なぜ、自分達「タバコ店」だけが、何の変化も無く平穏に過ごせると考えていたのでしょう。

私から見れば、それは「甘え」に過ぎないと思います。

本文抜粋
> 父親の代から40年以上、たばこ店を営んできた春日市の男性(54)も切実だ。5年前に会社員を辞めて店を継いだ。5月中旬から自販機だけを残し、店頭販売を休止。「今の収入では無職同然。でも、この年で新しい商売を始めるのは難しいし」と困惑する。

自分が会社を辞め店を継いだ時点で、すでに「新しい商売」を始めたはず。
それを「親の資産」(それまでの経営実績)のみに頼って今まで何の改善も考えてこなかった。
その罪は国にあるのでしょうか?

「この年で新しい商売を始めるのは難しい」

当たり前です。どんな年齢であれ「新しい商売を始める」のは難しいことです。

「自分の世界だけは、いつまでも守られ続けている」
それは幻想だと、バブルの時に学んだのは誰だったのでしょう。

今、自動販売機が削られていく。それは「変革」です。

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