2013-08-09
「夏の葬列」という作品だ。
学校の教科書で読んだだけの作品だが、「最後の授業」と共に私の心に刻み込まれている。
銃撃によりゴムマリのように宙を舞う白い服の少女。
暑い夏の蜃気楼のような記憶の中で正確な文章も判らないながらも、なぜかこの情景だけはすぐに想像できる。教科書で読んだだけなのにもかかわらず。
彼が正しいとも間違っているともいえない。その瞬間にそれしか選べなかった、ただそれだけのことでしかない。
ただそれでも、この悲劇は戦争の悲惨さを感じさせるには十分すぎるだろう。
調べてみると、夏の葬列はただ一度だけ私が生まれる前にTVドラマとして放映されたことがあるそうだ。
一度、映像で見てみたいと思うが、その反面、心の中で思い浮かべるだけで十分だとも思う自分がいる。
感想も解釈も何も難しいことはいらない。
ただ、あの場面だけを思い浮かべればいい。
それだけで十分だと思う。
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「夏の葬列」 山川方夫
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