災い転じて福と為す(2) 出勤の価値は?
2011-03-16


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日本人の甘えについては今回の論点ではないのでこの辺で。

 今回の論点としたいのは鉄道や道路、いわゆる輸送力の問題。
 発電量が少なくなる以上、鉄道網もその影響を受ける。

 そのため通勤や通学に影響が出「鉄道を避けるために」自動車での出勤などを図った結果、交通網全体にも影響が出始めている。

 今回、なぜこんな問題が発生したのか。

 それは「ピーク時の輸送量」が確保できていない事が明らかにもかかわらず「ピーク時に利用する」という事にあると私は考えている。

 全員が「同じ時間帯」に鉄道や交通機関を一斉に利用するために、輸送量が一時的に拡大してしまうため非常に大きな負荷が発生してしまっているのだ。

 日中について言えば、たとえ50%の本数に減ったとしても、元々、通常の輸送量が一列車あたり50%以下である以上満員になることはないだろう。
 実際、都心の列車で日中に『満員すし詰め状態の列車』など見た事があるだろうか?
 はっきり言って私はほとんど無い。よほどの事が無い限り、座っている人と同程度の立っている人がいる程度の混み具合の列車しか見た事が無い。

 そこから考えても、50%前後の輸送量が確保できれば、現状でも十分対応可能だと思う。

 結局、問題なのは一列車あたり100%を遙に超える「ピーク時(朝夕出勤退勤時)」のフォローがしきれないことだ。
 これは「物理的にどうしようもない」状況であり、電力会社や鉄道会社、また道路交通機関に対応を依頼しても仕方がない。すでに満杯状況なのに、頼めば道路や列車の通行量が2倍以上に増えるなどと考えるのは、もはや愚かな考えだといえるだろう。

 ならば、どう対応するか。
 簡単だ。「運ぶ量」に比べて「運ばれる量」が多すぎる事が原因である以上、「運ばれる量」を減らせば解決する。

 ここで多くの人に尋ねたい。

 そもそも、なぜ「全員、同じ時間」に出勤する必要があるのだろうか。
「全員、同じ時間」に出勤していなければ、企業は活動を維持できないのだろうか。

 そんな事は無い。

 それぞれの仕事の進捗状況を考えれば「全員が同じ時間」に仕事を始める必要などまったく無いのは、誰でも想像できるだろう。

 したがってこの問題、実はピーク時出勤を避けある程度平均化していけば何の問題もなく対応できる話なのだ。

 さて、思い出して欲しい。
 元々この手の話は、フレックスタイム制や時差出勤制という事で推進されていた「はず」だ。ところがこれらは言葉だけで終わり、各企業も結局「皆並んで」同じ時間帯に出勤し同じように労働する事しかしてこなかった。
 それが、今の「ピーク時とオフピーク時」との移動人口量の差という形で出て、過負荷となっているのだ。

 ならば、どうするか。

 ここまでくれば簡単に想像できるだろう。

 各企業、今回の一件を契機に「本気で」フレックスタイムや時差出勤制の導入を推進していけばいいのだ。

 それだけで、今回発生した問題の多くは回避できるだろう。


次回:「災い転じて福と為す(3) そもそも、出勤する必要ってあるのか?」
……に続いた。時間オーバーで一日ずれたけど(泣)

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本日の一曲
坂本九「明日があるさ」


……しまった、これだと「毎日同じ時間」に駅に行かないといけない (^_^;

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