「勝者無き」結末、混乱政局に突入
2009-07-13


解散決断、永田町激震…自民「大逆風」民主「慢心怖い」
7月13日15時51分配信 読売新聞
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都議選敗北で陳謝=麻生首相
7月13日14時21分配信 時事通信
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議席確定 民主第1党、自公過半数割れの歴史的大敗
7月13日0時10分配信 産経新聞
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さて、今回の都議選。
プレ衆院選とも位置づけている人がいるが、結果は「見てのとおり」

……『誰も勝っていない』状況に落ち着いた。

 ここで「自民が敗北し民主が勝った事実を受け入れろ」という人がいるかもしれないが(実際、マスコミはそんな口調が多い)よく考えて次の事に答えて欲しい。

 『都議会で可決可能なだけの過半数はどこが確保できるのか?』

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 冷静に数を見直そう。

『最終的な各党の議席は▽民主54 ▽自民38 ▽公明23 ▽共産8 ▽生活者ネット2 ▽民主系無所属1 ▽その他無所属1。』

 総議員数は127、必要な過半数は『64』

・自民+公明で、61 過半数に届かず。

確かにそのとおり。
じゃあ、勝った勝ったと浮かれている「民主党側」は? となるとどうだろう。

・民主 54 生活者ネット 2 無所属 2=『58』

 ……足しても過半数に届かない。
 それどころか「自公」にすら届かない。
 『自公一体』と考えれば、与党ですらない。

 この状況で浮かれていられるのだろうか?
 確かに単独政党としては第1党とはなった。だが「だから民主党が天下を取れる」などと考えるのはまずいんじゃないだろうか。

 今、民主党が都政での政局を握るためには次の3つの方法しかない。

1.「共産党と手を組む」
2.「公明党と手を組む」
3.「自民党を切り崩し取り込む」

 さて、どれが現実的なプランだろうか。

 はっきり言って、3.しかないだろう。
 共産党が手を組む事はあまり期待できないし、公明党とは犬猿の仲。
 結局、自民党の切り崩ししかない。

 だが、「自分達が切り崩しにかかる」ということは「相手からも切り崩しに来る」という事を意味している。

 民主側は「自民から」6人必要。
 自民側は「民主・その他」から3人必要。

 さて、どっちが優位だと思えるだろうか。

 当然、「人数的には」自民側優位なのは理解できるだろう。

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 とはいえ、今は絶好調の民主、風に乗っているのでそう簡単には切り崩されないだろう。
 じゃあ都議会はどうなるのだろうか。

 最悪の事態は「どちらも過半数足らず」で議会が全く機能しなくなる。

 この時、民主側は何というのだろう。
「自民は野党なのだから、与党(民主党)に従え」などと言うのだろうか?

 これはNGだ。
 今までそのような自公の態度に「ふざけるな」と文句を言ってきた立場である以上、自分達が同じ事を相手方に要求するのは、恥を知ればできないだろう。

 ではどうなるのか。
 民主党がどれだけ自公の要求を飲めるのか?
 これが今後の基本となるだろう。

 都議会はこれから4年間続く。
 ある意味、今後の国政よりも長いかもしれない。

 「政治は大が小に譲る事にある」
 民主党が「本当の与党」となれるかどうかは、今後の対応次第だろう。

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※ ちなみに衆院選についてだが、
 今回の都議選と同じく『双方勝者なし』という状況が一番ベストだと思う。
 その時点で政界大再編が発生するので、自民も民主も内部改革が一斉に進む。


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