2005-09-16
今日は、自民党・民主党と続いたので公明党をと最初思ったのですが、いきなり入ってきたノースウエスト問題について考えることがあったので、そちらを優先ということでいきましょう。
ノースウエストの破産法第11条に基づく申立。
日本では破産と聞くと、業務を停止して債務整理、その企業は消滅という風に捕らえがちです。これは、日本の破産その他再建制度が、破産法や会社更生法・民事再生法など各制度によって法律が別々に存在しているからでしょう。
ですが、アメリカの法律では、日本と違って、これらの方法をすべてまとめ、「破産法」という一法令に集約させて存在しています。
ですから、今回の場合も、「破産法による申立」は、日本での「会社更生法・民事再生法」による「公権力の関与・監督を主軸とした再建」の申立に近いものであって、「破産」の申立ではありません。
このため、通常の業務は可能で(詳しい説明は省きます)、今日も元気にNWは飛んでいます。
とはいえ、ハリケーンの影響で数日間業務がまともに動かなくなったというだけで、経営維持が難しくなる、という事実の方が、本当は一番問題なのかもしれません。
結局、大手のNWですら毎日を乗り切るのがやっとの自転車操業でしかない、という、アメリカ経済の底の浅さ、不況ぶりが、今回、露呈されてしまったのかもしれません。
日本に対する影響としては、色々あるでしょうが、私の心配としては、とりあえず、格安航空券に対する影響さらには海外格安ツアーを軸にしている旅行業者に対しての影響が心配です。
ただでさえ、原油高によって航空利用のコストが上がっているのに、運賃自身もあがっていくという、ダブルパンチが生じるのは、ちょっと辛いですね。
ちなみに、今回の件について思ったのですが、行政書士はもっと破産制度についても勉強しておくべきだと思います。
破産申立自身は、裁判所管轄(弁護士・司法書士の職域)なので、触れてはいけないのですが、破産にいたる過程や破産回避の方法、破産後の再建中の支援、など債務者のフォローアップが必要な時、また、債務者側だけでなく債権者側の立場として、破産申立された回収不能債務をどう扱うか、貸し倒れにならないように事前・事後対応策はどうしたらよいかなど、単純な書面作成に見えても、場合によっては深く視野に入れてアドバイスをし、書面に盛り込むようなことも生じてくるでしょう。
実際、これらの問題に対応するには、単なる破産制度・法令の理解だけでなく、公共・民間の資金制度等も含めて広く全体的な知識が必要となります。
本来、これらの対応などは「オールスペシャリスト」の弁護士が行うべきなのでしょうが、資金が潤沢な企業ならともかく、コスト面で考えると、どうやっても資金があまりない個人が弁護士を使うのは無理だと思います。
なら司法書士ではどうかといえば、司法スペシャリスト化してしまっている司法書士では一分野に関するスペシャリストであるということが逆に作用する可能性もあります。(会計・税務スペシャリスト化してしまっている税理士も同様かもしれません)
たとえ広く浅くであっても広範な知識(法制度だけでなく、様々な制度に対する知識)が必要な問題については、各部門について各スペシャリストに任せるとしても、これらを統合・マクロに調整する部分において、行政書士が総務・管理部門として対応していくことができると思います。
(逆に言えば、スペシャリスト同士の対立に関与しない分、チーム内の調整役として余計に行政書士の存在意義が大きくなるかもしれません。)
「制度上参加できないから」とあきらめるのではなく、ならば制度外周からのフォローなどで参加できないか? 等、ポジティブに考えていきたいものですね。
※当事務所でも、当然対応はしてます。
…サイト上では全然対応しきれてないのですけどね
セ記事を書く
セコメントをする